広島高等裁判所 昭和30年(ウ)34号 決定 1955年6月14日
申立人 広島県地方労働委員会
被申立人 合資会社勝光山鉱業所
被申立人 株式会社勝光山鉱業所
主文
被申立人株式会社勝光山鉱業所は当庁昭和三〇年(ネ)第六五号救済命令取消請求控訴事件の判決が確定するまで加藤福夫、前門豊実、桑原恵文、大沢覚に対してそれぞれ同人等が元合資会社勝光山鉱業所の原職にあつたと同様の給与相当額を昭和三〇年二月分より支給しなければならない。
申立人の被申立人合資会社勝光山鉱業所に対する申立はこれを却下する。
理由
申立人は被申立人両名に対し主文第一項と同旨の命令を求めているけれども、申立人の疏明資料(甲第三号証)によれば、合資会社勝光山鉱業所は昭和二八年一〇月一九日株式会社勝光山鉱業所の設立に伴う合併により解散消滅し、その権利義務は挙げて株式会社勝光山鉱業所において承継したと一応認められるから、被申立人株式会社勝光山鉱業所に対する本件申立は理由があるけれども、同合資会社勝光山鉱業所に対する申立は理由がないものと認め主文のとおり決定する。
(裁判官 柴原八一 尾坂貞治 池田章)
【参考資料】
緊急命令申立事件
(広島地方昭和二八年(行モ)第五号昭和二八年一二月二一日決定昭和三〇年二月一八日決定)
申立人 広島県地方労働委員会
被申立人 合資会社勝光山鉱業所
【前緊急命令に対する抗告審】 広島高等昭和二九年(ラ)第五号(例集五巻二号(10)参照)
主文
被申立人は、当裁判所昭和二十八年(行)第一九号救済命令取消等請求事件の判決確定まで、申立人が被申立人に対し昭和二十八年九月九日付書面を以てした命令の中、「被申立人は加藤福夫、前門豊実、桑原恵文、大沢覚に対し夫々昭和二十八年十月十五日から復職まで原職にあつたと同様の給与相当額を支払うこと。」を命じた命令に従わねばならない。
昭和二十八年十二月二十一日
(裁判官 官田信夫 胡田勲 藤野博雄)
右当事者間の昭和二十八年(行モ)第五号緊急命令申立事件につき、当裁判所は昭和二十八年十二月二十一日緊急命令を発したが被申立人合資会社勝光山鉱業所が既に同年十月十九日株式会社勝光山鉱業所の設立に伴う合併により解散消滅していたことが明らかになつたので次のとおり決定する。
主文
昭和二十八年(行モ)第五号緊急命令申立事件につき当裁判所の発した緊急命令は之を取消す。
昭和三十年二月十八日
(裁判官 宮田信夫 竹村寿 田辺博介)